コラム ビニールハウスができるまで

この記事では
ビニールハウスはどんな手順で
工事が進むのかがわかります。

目次:

①土地決定

②施設規模の決定

③基礎の施工

④建て方

⑤外張り


今回コラム記事では、農業用のビニールハウスができるまでの流れを解説していきます!

新築ハウスの建築だけでなく中古ハウスの再利用の際など

役立たせていただけたら幸いです

主に苺やトマトを育てるビニールハウスを例に解説させていただきます


①土地決定

ベッドでの栽培では地質はあまり関係ありませんが、一般的に田んぼの中の土地では
水はけが悪い、海沿いの土地では水はけがいいですが風の影響を受けやすいなど
海の近くでは塩害の心配もあり部材をステンレスにするなどの対策も必要です
土地の選定は農業ライフにおいてかなり重要です!


②施設規模の決定(間口や連棟数、奥行の決定)

施設規模は育てる作物の種類、栽培方法などにより異なります
規模の中でも軒高に関しては、大きく影響を受けます
トマト栽培と一概に言っても土工栽培では軒高は2~2.5m程度
ベッド栽培では軒高は4m以上のハウスもあります
土地に対して日当たりなども考慮して奥行方向の決定します


ビニールハウス各部の名称についての記事はこちら


③基礎の施工

ビニールハウスの基礎は柱ごとに独立した布基礎という方式で施工されます
土地決定や施設規模の選定にも影響してくるのですが
基礎の施工に際にはハウスの雨どいの流れをよくするために
傾斜がつけられます
この傾斜には片勾配(片側に向かって雨水が流れる)と
両勾配(中央から両側に向かって雨水が流れる)方式があります
この勾配は奥行の長さ+雨どいの容量などで決定されます
これからはゲリラ豪雨や線状降水帯などの
局所的な大雨の影響が考えられるので樋の容量は余裕をもって
選定されるのがいいと思います!


④建て方

③の基礎ができたら、その上にハウスの骨組みとなる鉄骨をくみ上げていきます
小さい規模のビニールハウスでは基礎は作らずに、柱となるパイプを
直接打ち込んで建てる場合もあります。
基礎方式に比べて安価で建築できますが、建てられる規模が限られたり
強度的に劣るなどのデメリットがあります
ビニールハウスの鉄骨にはパイプ・ボックス鋼・H鋼の種類があり
パイプ→ボックス→Hの順に強度が高まります


⑤外張り

外張りフィルムには多様な種類があります。
フィルムの種類によって耐用年数・紫外線のカット率などが異なります
一般的にフィルムが厚いほど耐用年数は長くなります
0.1mm程度の厚さで2~3年、0.2mmで5年程度の耐用年数です
価格は高くなりますがフッ素コーティングされた硬質のフィルムは
耐用年数が10年以上ととても長いです
しかし硬質フィルムは展張の仕方が特殊なため施工条件が限られます
最近では無加工フィルムよりも耐用年数が長く硬質フィルムよりも
安価なフッ素練り込みフィルムも登場しています
耐用年数が短いほど材料は安価になりますが
張替の都度、工事費がかかるのでランニングコストでは
劣る場合があります!


外張りまで完成したら設備工事へと移っていきます
温室内の設備についてはこちらの記事で紹介しています!

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